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税務相談室

第8回 帰任者の税務

第8回 帰任者の税務

前回は駐在員の皆様の一時帰国の際の課税関係について書かせていただきましたが、本帰国が決まった場合には、どのような準備、手続きが必要となるのでしょうか。
今回は、本帰国の差異の納税、確定申告、納税者番号の消去について説明いたします。

1. 帰任の年の納税

年の中途で帰任することになった場合であっても、帰任する年も納税義務があり、帰任までの期間の所得について申告し納税する義務を負います。また、インドネシア滞在期間が1年未満の方も12カ月以内に183日以上インドネシアに滞在している場合は納税義務が生じていますので、帰任するまでの所得を申告する必要があります。183日の起算は1月1日からではなく、過去12カ月にさかのぼって判定しますので、注意が必要です。

2. 帰任の年の確定申告

帰任する年の確定申告は、インドネシアの居住者であった日までの全世界所得が申告の対象となり、申告期限および納税期限は、帰任の日に関係なく、通常の個人確定申告と同様の翌年3月末日までです。確定申告のためには、駐在終了までの期間の“インドネシアの源泉徴収票(1721-A1様式)”、“日本の給料明細(収入証明書)”、その他収入があれば“その証明書”の書類が必要になります。また、確定申告により確定する税額が翌年の前払所得税(pph25)の算定基礎となりますが、確定申告時までに後述する納税者番号を休眠状態にする手続を済ませていれば、翌年度の前払所得税(pph25)の支払義務は生じません。

3. 納税者番号(NPWP)の抹消

インドネシア駐在中に登録された納税者番号(NPWP)は税務申告に要する番号です。納税者番号の登録をそのままにしておくことは、インドネシアの納税者である意思を示していることになります。帰任する方は居住者ではなくなり、納税の義務を負う必要もなくなるため、納税者番号を消去する手続きが必要です。
納税者番号の登録抹消手続には通常6カ月程度かかりますので、帰任する年に前払所得税(pph25)の支払いがある場合は、まず税務署への書類提出を通じて納税者番号を休眠状態にすることで、納税義務を休止し、前払所得税の支払いを止めることが肝要です。これは、前払所得税の納付を早く止めることにより、帰任する年の確定税額に対して前払所得税が上回り納税超過になることを避ける目的があります。この手続きは1週間程度を要します。

そして確定申告・納付を終え、登録抹消手続きに入ります。登録抹消の手続きには、税務調査を伴う場合があり、その場合は調査が完了した後に納税者番号の抹消となります。

関連法令:Pasal 3 Ayat (3) UU KUP No.28 Tahun 2007 ( 報告期限)
Pasal 1 Ayat (6) UU KUP (NPWP)

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