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第26回労務相談室 最低賃金設定

第26回労務相談室 最低賃金設定

オムニバス法に対する違憲判決、それに弾みをつけてしまった労働組合の最低賃金改定要求のデモ、一方でオムニバス法にほぼ従った形の最低賃金が続々発表され、どうしたらいいのかと困惑なさっている方も多いのではないでしょうか。現状を鑑み、各社での賃金調整をどのようにやっていったらいいのかのヒントを少し考えてみましょう。

【オムニバス法と最低賃金設定】

従来最低生活必需額や適性生活必需額をもとに定めていたことで多額な昇給を繰り返していた最低賃金額を「インフレ率+GDP」に変更した後、2021年政令第 36 号において「インフレ率もしくは GDP」と変更になったところでのオムニバス法の違憲判決でした。この違憲判決は2020年法律第 11 号(通称オムニバス法)を無効にしたのではなく、その制定方法の違憲性を認め、2 年以内に改定する必要があるとし、改定されなかった場合は無効になると定めました。ですから現在もオムニバス法や 2021年政令第36号は有効なままです。一方で今後オムニバス法に係る詳細規定等を定めることは改定まで禁じられましたので、詳細規定が必要な条項は施行できないということになります。とはいえ最低賃金に関しては2021 年政令第 36 号ですでに詳細規定が定められており適用することが可能となるため、規定に沿った計算式で算出した最低賃金額が各州から続々と発表されたのです。実際には県/市の賃金委員会は2021年政令第36号の計算式とは異なった昇給率を合意したようです。けれども県/市知事は最低賃金額を設定する権限を有さず、所在地管轄州知事に提案することになります。どのようなからくりがあるのかは見えませんが、州知事は軒並み県/市知事の提案に従わず、2021年政令第36号の計算式で算出された数値を独自に決定しました。これまで県/市知事からの提案を「検討もせずに(?)」そのまま承認してきたと思われるほどだった各州知事に何が起きたのかは知る由もありませんが、会社側にとっては少し信頼できる体制になってきたのかなと思います。

【最低賃金額を上回る賃金調整】

オムニバス法および 2021 年政令第36号によってセクター別最低賃金の設定が2021年度最低賃金から行われなくなりました。そして上記のような1%程度の調整率となった最低賃金額は 2020年度のために定められたセクター別最低賃金の多くをまだ上回っていません。一方で適用 最低賃金額が下がったことによる賃金減額は認められていません。ですから法規的には多くの会社で年次昇給を行う必要がなくなっています。とはいえ社員の生活レベルの維持やモティベーションは検討しなければなりません。「インフレ率もしくは GDP」での昇給や会社業績に基づく対応を検討する等の社員の目に寄り添う動きは必要ではないかと思います。一方で従来の昇給率である「インフレ率+GDP」での昇給を継続すると、その方法が会社の基本となってしまいますので、できるだけ避けた方がいいと思います。お気を付けください。

関連法規:2020 年法律第 11 号 UU-11/2020・2021 年政令第 36 号 PP-36/2021

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