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税務相談室

第6回 ロイヤリティ

第6回 ロイヤリティ

昨年度より続くコロナ禍により、国の税収不足は深刻化しているといわれており、税収不足を補うために、税務調査が一層厳しくなることも考えられます。税務調査にて、注目されやすい論点のひとつに「ロイヤリティ」があります。国外に高額の「ロイヤリティ」を支払っている場合、否認対象として狙われやすい項目となりますので、注意が必要です。
今回は、この税務リスクの高い「ロイヤリティ」について、説明したいと思います。

1.  ロイヤリティとは
ロイヤリティとは、商標権や特許権、製造(販売)ノウハウの利用の対価として支払われるものをいいます。ロイヤリティの算定方法は、主に、売上高、売上総利益を基準とし、一定の料率を乗じて金額を算定します。

2.ロイヤリティに課される税金
現地法人が、ロイヤリティを国外へ支払う場合、ロイヤリティ総支払額の20%がPPH26として課税されます。ですからロイヤリティ総支払額の20%は、インドネシア国内にて納税し、80%を国外のロイヤリティ支払先へ送金します。DGT(居住者証明)を税務署に提出済みであれば、租税条約の優遇税率が適用され、20%より低い税率が源泉税率となります。この優遇税率は支払先の国により異なり、日本は10%となっています。この源泉税を支払っていないと、損金算入を否認されますので必ず納税し、申告もする必要があります。また、PPH26の源泉税だけではなく、VAT(付加価値税)も課税対象であり、VATオフショアとしてロイヤリティ総支払額の10%の課税を受けますので、支払先の国外の会社に代わり現地法人がインドネシアで納税する必要があります。

3.   ロイヤリティの税務リスク
税務調査において、ロイヤリティは現地法人の収益力の源泉の対価という考え方が強いため、現地法人が赤字になっている場合や利益率が同業他社に比べ低い場合、そのロイヤリティは事業に関係のない支払いすなわち、利益を生み出すことに貢献しない支払いではないかと税務署に見なされ、否認されることがあります。否認されるか否かは、税務署の判断によるところが大きいので、赤字となる場合は、特殊事情の説明が肝要です。

この否認による税負担は所得税、付加価値税のどちらにも及び、さらにそのペナルティまでついてくることから、多大なものとなり得ます。こういった税務リスクに対して、ロイヤリティの対価性を証明する証憑をそろえておくこと、また、現地法人の利益率が低い場合には、ロイヤリティ料率の減額や、旧製品をロイヤリティの対象から除く事などの検討をすること、さらに、移転価格文書の作成義務があり、関連者取引にロイヤリティもある場合には、料率の妥当性について、データベースを用いて検証することも重要なリスク回避対策となります。

関係法令:Pasal 26 UU PPH、Undang-Undang Nomor 42 Tahun 2009 Pasal4 ayat1

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