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第21回労務相談室 陽性者/濃厚接触者の勤怠

第21回労務相談室 陽性者/濃厚接触者の勤怠

断食明け休暇によるのか、変異株によるのか、はたまたその両方か、インドネシアもジャカルタも新規感染者の記録を塗り替え続けています。在インドネシア日系各社でも毎日のように感 染者報告を受け、その対応に四苦八苦なさっているのではないでしょうか。そんな中で症状が 出ている陽性者の欠勤は病欠扱いであることがわかるけれど、無症状陽性者や濃厚接触者の勤怠の扱いをどうしたらいいかというご質問を受けることが多くなりました。今回はこの勤怠対応およびその根拠を取り上げてみることにしましょう。

【欠勤理由の特定】

無症状の陽性者や濃厚接触者が出社できない理由をまず特定しましょう。無症状ではあるが PCR 検査で陽性反応が出た場合、保険省が発行しているプロトコルにしたがい自宅もしくは隔 離施設での自主隔離を命じられます。自主隔離を実施する義務があるため出社できないわけで すから、欠勤の根拠は法規にあります。現行法規を順守するのは国民の義務ですので、社員に非はないと言えます。一方濃厚接触者の対応については各社で規定を定めています。たとえば「濃厚接触者はたとえ PCR 検査で陰性であっても、陽性者と接触した最終日から 14 日間は自宅 で自主隔離すること」というような具合です。社員は出勤したくないのではなく、会社の規則を遵守するために出勤できないので、やはり社員に非はありません。 社員に非がない場合の欠勤は「出勤したものとみなす」ことになりますので、賃金を控除することも、年次有給休暇の権利を減ずることもできません。

【出勤したくない社員】

一方で陽性者でも濃厚接触者でもないけれど、会社で感染が広がっているので怖いから出勤したくないというケースはどうでしょうか。どうして怖いのか、どういうところが不安なのかの 改善を会社が行い、感染を最大限防ぐ努力はもちろん必要です。会社の対策が十分でないという理由の場合は「出勤したくない」ではなくて「改善してほしい」という要求になるべきであ り、出勤義務のある日に勝手に自宅待機にすることは許されません。会社の対策は十分かどうかを客観的に評価し、不足している部分は改善しますが、それでも出勤したくない場合は社員が出勤しなくてもいい権利を使うしかありません。年次有給休暇を取得したり、休職申請を行ったりと各社就業規則/労働協約に沿った対応を行うことになります。ただしセンシティブな問 題ですからまず会社の感染防止対策状況を最大限にすることに注力する必要があるでしょう。

関連法規:2003 年法律第 13 号 UU-13/2003

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