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第51回 労務相談室 送別金規則

第51回 労務相談室 送別金規則

退職金の 1 つに送別金 uang pisah というものがあります。送別金は特定の 6 種類の理由により雇用関係を終了した場合に払う義務のある退職金の1つで、送別金を支払う場合は退職手当 uang pesangon や勤続功労金 uang penghargaan masa kerja を支払う義務はありません。一方権利補償金 uang penggantian hak はいかなる退職理由であっても支給義務がありますので、これは他の理由と同様支払い義務があります。そして最も他の退職金と異なるのは、送別金規則は各社で自由に設定できるところです。ではどのような規則を設定すべきなのでしょうか。

【送別金支給義務のある退職理由】
送別金支給を義務付けられている退職理由は以下の 6 種類です。1)円満な自己都合退職、2)連続5 日間の無断欠勤、3)懲戒解雇、4)会社損害を伴う刑事により 6 ヶ月以上拘留、5) 会社損害を伴う刑事により拘留 6 ヶ月未満での有罪判決、6)経営者の違反を理由に自身の雇用関係終了を申請したが、経営者の違反がないことが証明された、となります。この理由に似て非なる円満でない自己都合退職にも配慮が必要です。ここで言う「円満」とは会社が設定した退職時の義務をすべて満たした場合を言います。法的には 30 暦日前に辞職願を提出することが条件とされていますが、他に引継ぎを行う、返却すべきものをすべて返却する、会社の命じた職務を完遂させるなどを条件づけることが可能です。これらの条件を満たさなかった場合には送別金を支給する必要はありませんが、他の 5 種類の理由で退職すると送別金を受領できるので、満たすことのできない条件がある場合は上司を殴って懲戒解雇にしてもらおうなどという輩が出てくる可能性もありますので、バランスを検討する必要があります。

【送別金なしは違反?】
送別金規定を勤続功労金規定と似た形で作っていらっしゃる会社は非常に多いです。恐らく自己都合退職の場合の退職金が勤続功労金の 1 倍であった時代が⾧かったことによる名残ではないかと思われます。ですから、勤続期間によって送別金なしの規定を定めることは比較的一般的です。けれども全員ゼロというわけにはいきません。なぜなら「支給する」義務があるからです。一方で上記 3 以降の理由にわざわざ退職金を支給しなければいけない意味が解らないとおっしゃる方は多くいらっしゃいます。その場合は少額の金額で設定したり、賃金に合わせた計算になっていたら小さな率を掛けるように設定することも可能です。
また稀ではありますが役職ごとに異なった計算方法にされる規定を見ることもあります。その場合に一定役職以上に対して送別金ゼロという設定ができるでしょうか。法的には禁止されていませんが、非常に不満が溜まりやすい規則とも言えます。上記 2 以降の理由であればまだしも、円満な自己都合退職をしたマネージャー以上は送別金ゼロというのはかなり受け入れにくい規定でしょう。会社側としては優秀な役職者を繋ぎとめておきたいので、辞める人には厳しくということなのかもしれませんが、少々会社の都合を優先しすぎている嫌いがあると受け止められるのではないでしょうか。

関連法規:2021 年政令第 35 号第 49 条~第 59 条

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